「なぜFIREを目指すのか」で書いた通り、私にとってのFIREは資産額だけで測るものではない。ただし進捗を記録する以上、どこかで現在地の数字を出さないと「定点観測」にならない。今回は、資産・負債・複業収入を洗い出して、初回の基準点を作った記録だ。

先に結論を書く。棚卸しをしてみて分かったのは、資産の内訳よりも「何がどの口座・どの事業に散らばっているか」を把握できていなかったことの方が問題だった、ということだ。数字そのものより、数字を出すまでのプロセスに今回の一番の収穫がある。

目次

なぜ今、棚卸しをしたか

複業4事業(storeforge、aerial-earth-studio、afflow、民泊)とマイクロ法人を並行運用していると、お金の流れが個人口座・法人口座・各事業の売上入金先に分散する。本業のFDE収入は個人事業として入ってくる一方、複業の一部は法人経由、一部は個人のまま、という状態が続いていた。

これまでは「なんとなく赤字にはなっていないはず」という感覚で回してきたが、FIREを目標に据えて資産形成の進捗を追うと決めた以上、感覚ではなく数字で現在地を確認する必要があった。家計の再設計(リベ大式4象限でのMoneyForward再構築)は既に済ませているが、あれは主に家計の収支管理が目的で、事業側の資産・負債は範囲外だった。今回はそこも含めて棚卸しの対象を広げた。

棚卸しの範囲と手順

実際にやったことは次の3ステップだ。

  1. 資産の洗い出し: 個人の預金・証券口座、法人口座の残高、各複業事業に紐づく在庫・機材・積立分を、口座単位・事業単位でリストアップする
  2. 負債の洗い出し: 住宅ローンなどの個人の負債と、法人が抱える負債(あれば)を分けて記録する。個人と法人の負債を混ぜて見ると判断を誤りやすいため、意識的に分離した
  3. 複業収入の月次確認: storeforge・aerial-earth-studio・afflow・民泊それぞれの直近の入金実績を、まだ黒字化していない事業も含めて正直に記録する

このステップで意識したのは、「個人」と「法人」を最初から分けて集計することだ。マイクロ法人を持っている以上、資産形成の全体像は「個人の資産+法人の資産(将来的に個人へ還元される分)」という2階建てで見る必要がある。ここを最初から混ぜて記録すると、法人に残っている現預金を自分の可処分資産だと錯覚しかねない。

実際に出てきた数字(現時点のスナップショット)

以下が今回時点での棚卸し結果だ。金額そのものより、内訳の構造自体が今回の記事の本題になる。

  • 個人の総資産(預金+証券): 3,620万円
  • 法人の現預金: 80万円
  • 個人の負債: 0円(賃貸のため住宅ローンなし)
  • 複業4事業の月次売上合計: 8万円(事業ごとの内訳は複業ログ柱で個別に扱う)

数字そのものより重要だったのは、この4つを同時に並べて初めて「個人の可処分資産と法人の現預金を合算して考えていた」という自分の思い込みに気づけたことだ。法人の現預金は役員報酬や配当という形で個人に移すまでは自分の生活防衛資金にはならない。この区別を曖昧にしたままFIREの目標額を計算していたら、実態より楽観的な数字になっていたはずだ。

棚卸しで見えた次のアクション

棚卸しをやりっぱなしにしても意味がないので、今回の結果から次にやることを2つに絞った。

  • 個人と法人の資産を分けて可視化する仕組み化: 今は手作業でスプレッドシートに転記しているが、finance-managementリポジトリで作った集計基盤を法人口座にも拡張し、月次で自動集計できる状態にする
  • 複業収入の黒字化ラインを事業ごとに明文化する: 「月次売上がいくらを超えたら黒字」という基準を事業ごとに個別に持っていなかった。次回の定点観測までに、事業ごとの損益分岐点を先に言語化しておく

読者が同じように棚卸しをするなら、まず「個人と法人(あるいは複数の収入源)を分けて集計すること」だけでも先にやってみてほしい。ここを分けずに合算した資産額だけを見ていると、実際に動かせるお金と動かせないお金の区別がつかなくなる。

まとめ

  • 資産形成の進捗を追うため、個人資産・負債・法人資産・複業4事業の収入を初めて横断的に棚卸しした
  • 一番の収穫は数字そのものではなく、「個人」と「法人」の資産を分けて見る必要性に気づけたこと
  • 現時点のスナップショットとして、個人資産・法人現預金・個人負債・複業月次売上を記録した
  • 次のアクションは「個人・法人資産の自動集計の仕組み化」と「複業事業ごとの黒字化ラインの明文化」の2つ

次回は、今回明文化した複業事業ごとの黒字化ラインと、それを踏まえたFIRE目標額の試算を書く予定だ。

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