マイクロ法人を作って役員報酬を払い始めると、年末に「一人社長でも年末調整は要るのか」「自分でやるのか、税理士に任せるのか」で手が止まります。
私はマイクロ法人(合同会社)から自分に役員報酬を払っていて、年末調整は顧問税理士に任せています。この記事では、私が実際に自分でやっていることと、任せている範囲、年末調整の後に出る書類を、国税庁の案内と照らしながらまとめます。
この記事の結論(先に3点)
- 一人社長でも、役員報酬を払っていれば年末調整は必要: 年末調整は「役員または使用人」の給与が対象です。社長1人の会社でも、自分に払った役員報酬が年末調整の対象になります
- 私は顧問料に含めて税理士に任せ、自分の作業は年1〜2時間: やっているのは、控除証明書を税理士に渡すことと、会計ソフトへの入力だけです。年末調整のための追加料金は払っていません
- 年末調整の後の書類は「源泉徴収票」が中心: 本人への交付は翌年1月31日まで。税務署への提出の扱いは、2027年1月から変わります
適合する読者と限定事項
- この記事が合う人
- マイクロ法人から自分に役員報酬を払っていて、初めての年末調整を迎える人
- 年末調整を自分でやるか、税理士に任せるかを決めたい人
- この記事で扱わないこと
- 従業員を雇っている会社の年末調整(扶養控除や社会保険の扱いが人数分増えます)
- 年末調整の計算の手順そのもの(私は自分で計算していないため)
一人社長でも年末調整は必要か
必要です。国税庁は、年末調整を次のように説明しています。
年末調整は、役員または使用人に対する毎月の給与等から源泉徴収をした所得税(中略)の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税(中略)の額との差額を精算するものです。 (国税庁 タックスアンサー「No.2665 年末調整の対象となる人」)
対象は「役員または使用人」です。マイクロ法人の社長は法人の役員なので、自分に役員報酬を払っていれば、その報酬が年末調整の対象になります。社長が自分しかいない会社でも、法人は「給与を払う側」として、自分という役員の年末調整をすることになります。
ここで混同しやすいのが、年末調整で精算するのは給与だけという点です。私は本業を個人事業として受けていますが、個人事業の所得は法人の年末調整には入りません。そちらは自分の確定申告で扱います(後で書きます)。
私がやっていること、任せていること
私の年末調整は、次のように分けています。
| 作業 | 誰がやるか |
|---|---|
| 生命保険料などの控除証明書を集めて渡す | 自分 |
| 会計ソフトへの入力 | 自分(マネーフォワード クラウド会計) |
| 年末調整の計算と書類の作成 | 顧問税理士 |
| 料金 | 顧問料(月27,500円)に含まれていて、追加料金なし |
自分の作業にかかる時間は、毎年1〜2時間ほどです。ほとんどは、秋から冬にかけて届く控除証明書を探して集める時間です。
マネーフォワードは給与計算用のサービスを別に契約しておらず、法人の記帳に使っているクラウド会計だけで回しています。年末調整の計算そのものは税理士側で行い、私は会計ソフトの帳簿と控除証明書を渡すところまでを受け持っています。
税理士との契約は「記帳は自分、月次の相談と決算申告は税理士」という形で、その費用の内訳は税理士費用の記事に書きました。契約するときに、年末調整が顧問料に含まれるかどうかを確かめておくと、年末に追加料金が出て慌てずに済みます。税理士によっては、年末調整や法定調書の作成が別料金になっていることがあります。
年末調整の後に出る書類
年末調整が終わると、法人(つまり自分の会社)は次の書類を扱うことになります。私の場合は税理士が作成していますが、何が出るのかは知っておいたほうが安心です。
源泉徴収票(本人への交付)
給与を払った相手には、翌年1月31日までに「給与所得の源泉徴収票」を交付します。一人社長なら、自分の会社から自分に交付する形です。この源泉徴収票は、後で個人の確定申告に使います。
源泉徴収票(税務署への提出)は2027年から扱いが変わる
税務署に提出する源泉徴収票は、提出の範囲が決まっています。国税庁の案内では、2026年12月31日までに提出するものについて、年末調整をした法人の役員は「その年中の給与等の支払金額が150万円を超えるもの」が提出の対象でした(国税庁 タックスアンサー「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」)。
同じページには、2027年1月1日以後に提出するものについて、次の変更も書かれています。
令和9年1月1日以後に提出すべき「給与所得の源泉徴収票」については、市区町村に「給与支払報告書」を提出した場合には、税務署に提出したものとみなされます。
2026年分の源泉徴収票は2027年1月に提出することになるため、この新しい扱いが関係してきます。自分で手続きをする人は、その年の国税庁の案内を必ず確認してください。私はこの部分を税理士に任せているので、自分で手続きをしたことはありません。
源泉所得税の納付
役員報酬から源泉徴収した所得税は、原則として給与を払った月の翌月10日までに納めます。給与の支給人員が常時10人未満なら、半年分をまとめて納める「納期の特例」があり、1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日が期限になります(国税庁 タックスアンサー「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」)。特例を使うには、事前に税務署へ申請書を出す必要があります。
個人の確定申告で、役員報酬の源泉徴収票を使う
マイクロ法人と個人事業の二刀流では、年末調整だけでは税金の手続きが終わりません。
私は、法人から受け取った役員報酬の源泉徴収票を、個人事業の確定申告で使っています。役員報酬は給与所得として、個人事業の所得と合わせて申告します。年末調整で法人側の精算が済んでいても、個人事業の所得がある以上、確定申告は必要です。
二刀流の住民税がどうなるかは、二刀流の住民税の記事にまとめています。
自分でやるか、税理士に任せるかの判断
私が任せているのは、年末調整だけを切り出して考えたからではありません。決算と法人税の申告を税理士に頼んでいて、年末調整もその顧問料に含まれていたからです。
これから決める人は、次の順番で考えると迷いにくいと思います。
- すでに顧問税理士がいるか → いるなら、年末調整が顧問料に含まれるかを確認する。含まれるなら任せるのが手間も少ない
- 税理士がいない(決算も自分でやる)か → 年末調整も自分でやる前提になる。会計ソフトの給与計算機能を使うかどうかを決める
- 従業員を雇う予定があるか → 人数が増えると年末調整の手間も増える。そのタイミングで任せるかを見直す
私の場合、自分でやっているのは年1〜2時間の書類集めと入力だけで、年末調整そのもので困ったことは今のところありません。任せている分、つまずく場面が少ないということでもあります。
うまくいかなかったこと・この記事で確かめていないこと
- 年末調整の計算を自分でやったことはない: この記事の手順や書類の説明は、国税庁の案内に基づくもので、私が自分で計算・提出した経験ではありません
- 給与支払報告書の提出や法定調書合計表の作成も、税理士に任せている: 自分でやる場合の細かい手順は、その年の国税庁と市区町村の案内で確認してください
- 従業員がいる会社の年末調整には当てはまらない: 私の会社は役員1人だけです
まとめ
- マイクロ法人の一人社長でも、役員報酬を払っていれば年末調整は必要
- 私は顧問料に含めて税理士に任せ、自分は控除証明書を渡して会計ソフトに入力するだけ(年1〜2時間)
- 年末調整の後は源泉徴収票を自分に交付し、個人の確定申告で使う
- 源泉徴収票の税務署への提出の扱いは、2027年1月から変わる
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