複業4事業(storeforge・aerial-earth-studio・afflow・民泊)から利益が出たとき、私はその全額を生活費や資産運用に回すことはしていない。まず一定割合を「その事業の次の検証」に再投資し、残りを個人の資産形成に回すという配分ルールを持っている。今回は、この配分をどう決めているか、実際に何に再投資してきたかを書く。
先に結論を書くと、私の再投資判断は「増やすための再投資」ではなく「まだ0→1フェーズを終えていない事業を、次の検証段階に進めるための再投資」だ。ここを混同すると、事業として未成熟な段階なのに資産運用と同じ物差しでリターンを期待してしまい、判断を誤る。
なぜ利益を全額生活費・資産運用に回さないか
複業から利益が出ると、それをそのままFIRE目標額の積み上げに使いたくなる。実際、資産トラッキングの記録でも複業収入は資産増減の一因として扱っている。だが、出た利益を機械的に個人の資産側へ全額移すことはしていない。
理由は、複業4事業がどれもまだ「これ一本で食っていく」規模に達していない0→1フェーズにあるからだ。複業ログ側で書いた通り、この段階の評価軸は金額ROIではなく「意思決定材料がどれだけ増えたか」に置いている。利益が出たということは、その事業が次の検証段階に進む権利を得たということでもある。ここで利益を全部個人側に吸い上げてしまうと、事業自体の成長投資が止まり、次の検証に必要な原資を毎回本業収入から捻出することになる。それは本業への依存度を上げる方向であり、複業を並行運用している目的(時間と意思決定の自由を広げること)と逆行する。
実際に使っている配分ルール
事業から利益が出たときの配分は、次の3つに分けている。
- 事業の再投資枠: その事業の次の検証にそのまま充てる。金額は事業ごとの利益額と検証内容次第で変動させており、固定の割合は決めていない
- 法人の内部留保枠: マイクロ法人経由の利益は、役員報酬として個人に還元する分と、法人内に残す分を分ける。法人に残す分は、複数事業に横断的に使える原資(共通ツールの契約、法人としての信用構築コストなど)に充てる
- 個人の資産形成枠: 残りを個人の資産(証券口座など)に移す。ここが最終的にFIREの資産トラッキングに乗ってくる部分になる
この3枠のうち、私が最も時間をかけて判断しているのは1番目の「事業の再投資枠」だ。ここの判断を誤ると、儲かっている事業から早々に利益を抜きすぎて成長を止めてしまうか、逆に検証が終わっているのに惰性で再投資を続けてしまうかのどちらかに傾く。
再投資するかどうかの判断基準
利益が出た事業に対して、その利益を再投資に回すかどうかは次の基準で決めている。
- その事業の意思決定はまだ確定していないか: 「続ける/変える/やめる」の判断がまだ出せていない段階なら、追加の検証原資として再投資を優先する
- 再投資で得られる情報は、今の検証の停滞を突破できるものか: 単に規模を大きくするだけの再投資(同じ施策の量を増やすなど)は対象外にしている。次の意思決定に直結する新しい検証にだけ回す
- 他の3事業と比べて、今この事業に再投資する優先度は本当に高いか: 複業ログで書いた「今この時間はどの事業の意思決定を進めるのに一番効くか」という物差しを、お金の配分にもそのまま適用している
逆に、意思決定がすでに確定した(黒字化ラインを継続的に超えている、あるいは撤退を決めた)事業については、利益を再投資せず個人の資産形成枠に回す比率を上げる。「まだ判断が固まっていない事業ほど再投資を厚く、判断が固まった事業ほど個人資産に回す比率を上げる」というのが今のルールだ。
実際に再投資した例
抽象化した上で、実際に再投資に回した例を挙げる。
- aerial-earth-studioの制作パイプライン強化: 動画1本あたりの制作時間を圧縮するためのツール・環境への投資。単発の動画クオリティを上げるための投資ではなく、今後の投稿頻度そのものを引き上げるための再投資として位置づけた
- afflowのクリーンアーキテクチャ移行: 直接の利益を生む投資ではないが、今後の施策検証を高速に回せるようにするための基盤投資と捉え、複業側の再投資枠から充てた
- storeforgeの追加商材リサーチ費用: 上限を決めた小額検証の範囲内で、次の商材候補の検証に充てた。既存商材の広告費増額のような「量を増やす」再投資は対象外にした
共通しているのは、いずれも「今の検証を早く終わらせる、あるいは次の検証に進む速度を上げる」ための支出であり、「今の売上をそのまま伸ばす」ための支出ではないという点だ。
まとめ
- 複業の利益は全額を個人の資産形成に回さず、事業の再投資枠・法人の内部留保枠・個人の資産形成枠の3つに分けている
- 再投資枠の判断基準は「意思決定が未確定か」「停滞を突破できる投資か」「他事業と比べた優先度」の3つ
- 意思決定が固まっていない事業ほど再投資を厚く、固まった事業ほど個人資産に回す比率を上げるのが今のルール
- 実際の再投資は「量を増やす」支出ではなく「検証速度を上げる」支出に絞っている
次回は、この配分ルールを踏まえて、法人の内部留保と役員報酬のバランスをどう決めているかをマイクロ法人柱で書く予定だ。