複業ログの4本目。今回はaerial-earth-studio(Google Earth Studioで作る空撮動画のYouTubeチャンネル群、1本目は「空から見る野球」)について、収益化条件(登録者1,000人または再生時間3,000時間)を達成する前の段階で、何に時間を使ってきたかを書く。
登録者はまだ733人、収益化までの再生時間もあと3,743時間ほど必要な段階だ。それでも「まず量産して数字を稼ぐ」ではなく、意図的に力を入れてきたことが3つある。
目次
1. 企画を「イベント逆算型・常緑型・ランキング型」の3層で設計する
最初にやったのは、動画を思いつきで作らないための企画の型を決めることだった。
- イベント逆算型: 大谷翔平の球場企画のように、話題性のあるタイミングから逆算して企画・公開日を決める
- 常緑型: 甲子園やセンバツ出場校のように、時期を問わず長く見られ続ける定番ネタ
- ランキング型: 12球団の屋根形状ランキングのように、比較・一覧性のある企画
本数を増やすことよりも、1本あたりの視聴時間をどう伸ばすかを優先する設計にしている。3層をバランスよく持つことで、話題性で跳ねる動画と、検索から長期的に見られ続ける動画の両方を確保できるようにした。
2. パイプラインをPythonからTypeScriptに全面移植する
もう1つ力を入れたのが、動画制作パイプラインの作り直しだ。
もともとPythonで書いていたものを、カメラワーク生成・動画アセンブル・台本生成・音声合成・サムネイル生成・ローカライズ・アップロード・レポート・YouTube API連携・カレンダーチェック・バリデーションまで含めて、TypeScriptに全面移植した。各処理には自動テストを併設し、パイプライン全体で142テストが動いている。
これは「今すぐ動画を1本増やす」ことには直結しない投資だ。ただ、収益化ラインに達する前の今のうちにパイプラインを固めておけば、2チャンネル目・3チャンネル目への横展開や、1本あたりの制作時間短縮に効いてくると考えている。実際、モノレポ構成に切り替えて2チャンネル目(海外向け日本観光チャンネル)の企画検討も並行して進められる状態になった。
3. 公開後の品質確認を運用に組み込む
3つ目は、地味だが重要な教訓から生まれた仕組みだ。
過去に、エンディングナレーションで「前作でたっぷり紹介しています」と言及していたが、実際にはその「前作」がまだ未公開だった、という矛盾に気づかず公開してしまったことがあった。シリーズものの動画は「前作」「次回作」といった相互参照のセリフを入れがちだが、これは公開順序が予定通りに進まないと簡単に矛盾する。
この一件から、公開後も定期的に通し視聴で内容を確認する運用を組み込んだ。特にシリーズ相互参照のセリフは、台本作成時点だけでなく、実際の公開スケジュールが固まった後にもう一度整合性を見直すようにしている。地道だが、チャンネルの信頼性に関わる部分なので優先度は高い。
収益化ラインを急いでいたら、この3つはやっていなかった
正直に言うと、この3つはどれも「収益化条件を最短で達成する」という観点だけで見れば非効率だ。企画の型を決める時間、パイプラインを作り直す数週間、公開後の通し視聴——どれも動画の本数を直接は増やさない。もし収益化までの再生時間・登録者数だけを追っていたら、企画の型を決めずに手当たり次第に量産し、Pythonのパイプラインを不格好なまま使い続け、通し視聴の工程も省略していたと思う。
それでも今この3つに時間を使っているのは、複業ログの他の記事でも書いた通り、複数事業を並行しているからこそ「今すぐ数字にならない投資」に時間を割ける余地があるからだ。1つの事業だけに絞っていたら、収益化までの焦りがもっと強く出て、こうした地味な投資を後回しにしていた可能性が高い。
まとめ
- 企画は本数より視聴時間を伸ばす設計を優先し、3つの型でバランスを取る
- 収益化前の今だからこそ、パイプラインの作り直しに投資し、横展開しやすい状態を作った
- 公開して終わりにせず、シリーズものは公開後の整合性チェックを運用に組み込んだ
数字が伸びる前の期間は、地味な投資がしやすい時期でもある。次回は、この基盤の上で進めている2チャンネル目(海外向け日本観光チャンネル)の企画検討について書く予定だ。