「Claude CodeとCodex、結局どちらを使えばいいのか」「両方契約する意味はあるのか」。 AIコーディングエージェントを業務に入れようとすると、まずここで迷います。
検索すると「実装はClaude Code、レビューはCodex」といった使い分けの記事がたくさん出てきます。ただ、両ツールとも更新が速く、半年前の手順がもう動かないこともあります。たとえば、CodexをMCPサーバーにしてClaude Codeから呼ぶ方法は、2026年10月時点の公式ドキュメントでは「削除済み」になっています。
この記事では、2026年10月7日に両社の公式ドキュメントと料金ページで確かめた内容だけを使って、次の4点を整理します。
- 料金と使える場所の違い
- 設定ファイル(CLAUDE.mdとAGENTS.md)の違いと共用の方法
- 勝手な操作を防ぐ安全装置の違い
- 2つを併用する公式の方法
最後に、このブログを運営している1人法人で「調査はCodex、制作はClaude Code」と工程で分けているルールも紹介します。
この記事の前提
- 料金・仕様は2026年10月7日に公式ページで確認したものです。両ツールとも変更が多いので、契約前に公式ページを確かめてください
- 特定のモデル名は書きません。Codexでは、提供中のモデルが2026年10月14日に全プランから外れると公式に案内されており、モデル名で書くとすぐ古くなるためです
- 「どちらが優れているか」の性能比較はしません。公開されている調査に、両ツールの使い分けを比べたデータが見当たらないためです
結論:「どちらか」ではなく「工程で分ける」が現実的
先に結論です。
- ChatGPTを契約済みなら、Codexは追加費用なしで試せる。CodexはChatGPTのFreeを含む全プランに入っている
- Claude Codeは有料プラン(Pro以上)が必要。Freeでは使えない
- 設定ファイルは1つにまとめられる。Claude CodeはAGENTS.mdを読めるので、CLAUDE.mdに
@AGENTS.mdと書けば同じ指示を両方に渡せる - 併用するなら、OpenAI公式のClaude Code用プラグインが一番手軽。Claude Codeの中から
/codex:reviewでCodexにレビューさせられる - 「実装はClaude Code、レビューはCodex」は定番と言えるほどの裏付けがない。複数のツールを同時に使う開発者が多いことは調査で分かっているが、この組み合わせの分担を数えたデータはない
「どちらが上か」を決めるより、調査・実装・レビューといった工程ごとに担当を決め、その分担を設定ファイルに書いておくほうが運用は安定します。
料金と使える場所の違い
まず、契約と料金の違いです(2026年10月7日、各社の料金ページで確認)。
| 項目 | Claude Code | Codex |
|---|---|---|
| 含まれるプラン | Claudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise) | ChatGPTの全プラン(Free・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterprise) |
| 無料プランで使えるか | 使えない | 使える(軽い作業向け) |
| 個人向けの主なプラン | Pro:月20ドル(年払いなら月17ドル相当)/Max:月100ドルから | Go:月8ドル/Plus:月20ドル/Pro:月100・200・500ドルから選ぶ |
| APIキーでの利用 | できる(API料金の従量課金) | できる(API料金の従量課金) |
| 使える場所 | ターミナル、IDE、デスクトップアプリ、Web、スマホアプリ | ターミナル、IDE拡張、デスクトップアプリ、Web、クラウド |
ポイントは2つです。
1つ目は、入口の費用が違うことです。CodexはChatGPTの無料プランでも触れます。すでにChatGPT Plusを契約している人なら、追加の契約なしで試せます。Claude Codeは月20ドルのProからです。
2つ目は、サブスクとAPI従量課金の両方があることです。どちらもサブスクのログインで使えますし、APIキーを設定すれば使った分だけの従量課金にもなります。CIなどで自動実行するときはAPIキーが便利ですが、上限なく請求が増えるおそれがあります。サブスクとAPIのどちらで動かしているかを、記録として分けておくと安心です。この費用の記録の仕方は、1人法人のAI運用費をどう記録するかで詳しく書いています。
設定ファイルの違い:CLAUDE.mdとAGENTS.md
AIエージェントに「このリポジトリではこう作業してほしい」と伝えるのが設定ファイルです。
- Claude Code:
CLAUDE.mdを読む - Codex:
AGENTS.mdを読む。ホームディレクトリの設定から、リポジトリのルート、作業中のディレクトリへと順にたどって、見つかったファイルをつなげて読む
両方を使う場合、同じ内容を2つのファイルに書くと、片方だけ直して食い違う事故が起きます。
Claude CodeはAGENTS.mdを読める
2026年10月時点の公式ドキュメントでは、Claude CodeはAGENTS.mdを読めます。ただし条件があります。
| リポジトリにあるファイル | Claude Codeが読むもの |
|---|---|
| AGENTS.mdだけ(CLAUDE.mdが無い) | AGENTS.md |
| AGENTS.mdとCLAUDE.mdの両方 | CLAUDE.mdだけ |
| AGENTS.mdを取り込むと書いたCLAUDE.md | CLAUDE.md(取り込んだAGENTS.mdを含む) |
つまり、CLAUDE.mdがあると、AGENTS.mdは読まれません。両方に同じ指示を渡したいときの公式の方法は、CLAUDE.mdに次のように書くことです。
@AGENTS.md
## Claude Code
(Claude Codeだけに伝えたいことをここに書く)
共通のルールはAGENTS.mdに書き、Claude Code固有の指示だけをCLAUDE.mdに足します。Claude固有の内容が無ければ、ln -s AGENTS.md CLAUDE.mdでシンボリックリンクを張る方法も公式に案内されています。
なお、Claude CodeはAGENTS.override.mdやAGENTS.local.md、.agents/ディレクトリの中身は読みません。Codex用にこれらを使っている場合は、その内容がClaude Codeには届かない点に注意してください。
安全装置の違い:権限モードとサンドボックス
AIエージェントにファイルの変更やコマンドの実行を任せると、意図しない操作が心配になります。両ツールとも止める仕組みを持っていますが、考え方が少し違います。
Claude Codeは「どこまで確認なしで進めるか」を権限モードで選びます。 毎回確認するdefault、ファイル編集だけ自動で通すacceptEdits、計画だけ立てて変更しないplan、安全そうな操作を自動で判断するautoなどがあります。さらに、hooksで「この操作の前には必ずこのスクリプトを通す」と決めておけば、AIの判断に関係なく止められます。
Codexは「どこまで触れるか」と「いつ確認するか」を分けて決めます。 触れる範囲はサンドボックスで決め、読み取りだけのread-only、作業フォルダの中だけ書けるworkspace-write(既定)、制限なしのdanger-full-accessの3つです。確認のタイミングは承認ポリシーで決めます。既定ではネットワークにつながらず、macOSやLinuxではOSの仕組みで隔離して動きます。
どちらを使う場合も、「すべて許可」の設定はAIの判断を止める手段が無くなります。任せる範囲を線引きするときの考え方は、Claude Codeで業務自動化を回して分かった、任せる範囲の決め方と5つの歯止めにまとめています。
併用する方法:3つの公式ルート
両方を使うなら、どうつなぐかが問題です。2026年10月時点で公式に用意されているのは次の3つです。
1. OpenAI公式の「Codex plugin for Claude Code」
OpenAIがGitHubで公開している、Claude Code用のプラグイン(openai/codex-plugin-cc)です。2026年3月に公開されました。Claude Codeの中から、次のようなコマンドでCodexを呼べます。
| コマンド | できること |
|---|---|
/codex:review |
今の変更をCodexにレビューさせる(読み取りのみ) |
/codex:adversarial-review |
設計の判断に反論させる形でレビューさせる |
/codex:rescue |
作業そのものをCodexに任せる |
/codex:status・/codex:result |
バックグラウンドで動かした作業の状況と結果を見る |
使うにはChatGPTのサブスク(無料プランも可)かOpenAIのAPIキーと、Node.js 18.18以上が必要です。Claude Codeで書いたものを、別のエージェントにもう一度見てもらう用途に向いています。
2. Claude CodeをMCPサーバーにする(claude mcp serve)
Claude Codeは、自分のツールをMCPサーバーとして外部に公開できます。MCPに対応した別のクライアントから、Claude Codeの機能を呼び出す形です。この場合、操作ごとの承認は呼び出す側のクライアントが担います。
3. Codex SDKでプログラムから動かす
CodexにはTypeScriptとPythonのSDKがあり、ローカルのCodexをスクリプトから動かせます。決まった手順の中でCodexを呼びたいときに使えます。
注意:codex mcp-serverはもう使えない
2025年から2026年前半には、「codex mcp-serverでCodexをMCPサーバーとして立て、Claude Codeから呼ぶ」という手順がよく紹介されていました。しかし、2026年10月時点のCodex公式ドキュメントでは、このコマンドと単体のバイナリは削除済みです。代わりに、MCPではない独自の通信方式(JSON-RPC)の「Codex app server」へ移るよう案内されています。
古い記事の手順をそのまま試して動かない場合は、これが原因の可能性があります。
使い分けの傾向:調査データで分かること・分からないこと
「みんなはどう使い分けているのか」も気になるところです。公開されている調査から分かるのは次のとおりです。
- JetBrainsの開発者調査(2026年8月公開、1.5万人超):職場でClaude Codeを使う開発者は世界で約39%。Codexは1月の3%から16%に増えた
- The Pragmatic Engineerの調査(2026年3月公開、906人):回答者の70%が、AIツールを2〜4個同時に使っている
複数のツールを同時に使うのが普通になっていることは分かります。一方で、「Claude Codeは実装、Codexはレビュー」のような具体的な分担を数えた調査は見当たりませんでした。よく見かける使い分けは、公式プラグインの設計(Claude Codeの中からCodexにレビューを頼む)と、個人の運用例から来ているものです。自分の現場に合うかは、試して決めるしかありません。
このブログの運営での分け方:調査はCodex、制作はClaude Code
最後に、このブログを運営している1人法人での分け方を紹介します。ここでは「どちらが優れているか」ではなく、工程で担当を分けるルールを文書にしています。
| 工程 | 担当 | 完了と言える条件 |
|---|---|---|
| 最新情報・仕様・料金・制度のWeb調査 | Codex(Web検索つき) | 出典URL・確認日・主張との対応・未確認の事項がそろっている |
| 調査結果を使った執筆・実装・修正 | Claude Code | 確認済みの根拠だけを使っている |
決めごとは次の4つです。
- 調査と制作を別の工程にする。調査担当は出典と確認日を付けて渡し、制作担当はそれ以外の情報で埋めない
- サブスクのログインで動かし、APIキーへ自動で切り替えない。スクリプトから呼ぶ場合も同じ
- 検索できなければ「未完了」として返す。モデルの記憶で「確認済み」扱いにしない
- 上限に達したときの代わりを決めておく。Codexの利用上限に達している間は、Claude CodeのWeb検索で調査してよい。ただし主張ごとに原典を開き、成果物に「上限中のためClaudeで調査」と記録する
実際、この記事の調査はCodexが利用上限に達していたため、4.のルールに沿ってClaude Codeで行いました。料金・設定ファイル・codex mcp-serverの削除といった主な内容は、公式ページを開いて確かめています。
このルールで効いているのは、担当を決めたことより、「渡すときに何がそろっていれば完了か」を決めたことです。担当のツールが使えない日があっても、完了の条件が同じなら成果物の質は揃います。
まとめ:導入前に決めておく4つのこと
Claude CodeとCodexを両方使うなら、次の4つを先に決めておくと迷いません。
- 契約の入口:ChatGPTを契約済みならCodexから試す。Claude CodeはPro以上が必要
- 設定ファイル:共通ルールはAGENTS.mdに書き、CLAUDE.mdは
@AGENTS.mdで取り込む - つなぎ方:併用は公式プラグイン(
/codex:reviewなど)から始める。codex mcp-serverの古い手順は使わない - 工程の分担と完了条件:どの工程をどちらに任せ、何がそろえば完了かを文書にする
どちらが上かを決めるより、工程と完了条件を決めておくほうが、ツールの更新や利用上限に振り回されにくくなります。
参照した公式情報(2026年10月7日確認)
- Claude Code 概要:https://code.claude.com/docs/en/overview
- Claude Code 料金:https://claude.com/pricing
- Claude Code のCLAUDE.mdとAGENTS.md:https://code.claude.com/docs/en/memory
- Claude Code 権限モード:https://code.claude.com/docs/en/permission-modes
- Claude Code MCP:https://code.claude.com/docs/en/mcp
- Codex 料金:https://learn.chatgpt.com/docs/pricing
- Codex AGENTS.md:https://learn.chatgpt.com/docs/agent-configuration/agents-md
- Codex 承認とセキュリティ:https://learn.chatgpt.com/docs/agent-approvals-security
- Codex MCPサーバー(削除の案内):https://learn.chatgpt.com/docs/mcp-server
- Codex plugin for Claude Code:https://github.com/openai/codex-plugin-cc
- JetBrains Developer Ecosystem Survey 2026:https://blog.jetbrains.com/research/2026/08/ai-coding-agent-adoption-2026/
- The Pragmatic Engineer「AI Tooling 2026」:https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/ai-tooling-2026