FIREを目標に据えても、資産額を「なんとなく増えているはず」で放置していると、いつの間にか目標から遠ざかっていても気づけない。私は毎月決まったタイミングで資産の進捗を記録する仕組みを作り、実際に運用している。今回はその仕組みの中身と、記録を始めてから変わったことを書く。
目次
なぜ「毎月」なのか
最初、資産の記録は年1回、確定申告のタイミングでまとめてやればいいと考えていた。だが実際にやってみると、年1回の記録では遅すぎることに気づいた。
複業4事業(storeforge・aerial-earth-studio・afflow・民泊)はどれも収益が安定していない0→1フェーズにある。ある月は投資に回せる余剰資金が増え、別の月は事業の初期投資でむしろ資産が目減りする。この波を年1回の記録でしか見ていないと、「なぜ今年は思ったより資産が増えなかったのか」を後から分解するのが困難になる。月次の内訳データがなければ、原因が投資リターンの悪化なのか、複業への再投資が多かった月が続いたのか、本業収入の変動なのか区別がつかない。
毎月記録する理由はもう一つある。私は家計を家計再設計プロジェクトでリベ大式4象限に沿って再設計した経緯があり、資産形成もその延長線上にある。家計は既に月次でMoneyForwardに反映しているので、資産トラッキングも同じ月次サイクルに乗せた方が、確認の手間が増えない。仕組みは既存の運用リズムに乗せるほど続きやすい、というのが実体験からの結論だ。
記録している3つの数字
毎月末に記録しているのは、次の3つの数字だ。
- 総資産額: 現金・投資信託・個別株・退職金相当額などを合算した金額。現在は3,700万円まで積み上がっている
- FIRE目標額に対する到達率: 目標総資産額を分母に、現在の総資産額を分子にした単純なパーセンテージ。目標額自体は生活費の実績から算出しているが、その計算根拠はマイクロ法人の運営状況とあわせて別記事で扱う
- 月次の増減額とその内訳: 前月比でいくら増減したか、さらにそれが「投資リターン」「本業・複業からの入金」「支出」のどれに起因するかを大まかに3分類する
この3つ目の内訳が一番重要だと感じている。総資産額の増減だけを見ていると、「増えた/減った」という結果しか分からない。内訳まで見ることで、「今月は複業への再投資が多かったから減った」のか「相場が悪くて減った」のかを区別でき、翌月以降の判断材料になる。
記録の仕組み——スプレッドシート1枚に集約
トラッキングの仕組みは大掛かりなものではない。Googleスプレッドシート1枚に、月ごとの行を追加していくだけのシンプルな構成にしている。
- 列構成: 年月、総資産額、目標到達率(自動計算)、前月比増減額(自動計算)、増減の内訳メモ、その月の所感(自由記述)
- 更新タイミング: 毎月末、家計の月次締め作業と同じタイミングでまとめて入力する
- 入力元: MoneyForwardの資産推移画面から総資産額を転記し、内訳は自分の記憶と各事業の入出金履歴を突き合わせて手入力する
自動化を検討したこともあるが、現時点ではあえて手入力にしている。理由は、入力する数分の間に「今月なぜこの数字になったか」を振り返る時間が生まれるからだ。完全自動化してしまうと、数字は貯まるが振り返りの機会を失う。GWSやfinance-managementリポジトリで他の集計は自動化しているが、資産トラッキングだけは意図的に手作業を残している。
続けるためのチェックリスト
仕組み化したつもりでも、忙しい月は記録が飛びがちだ。実際に3ヶ月ほど記録が止まった時期があり、そこから次のルールを追加した。
このチェックリストの中で一番効果があったのは1つ目だ。家計の締めと資産記録を別タスクにしていた頃は、家計だけやって資産記録を忘れることが多かった。同じタイミングにひも付けたことで、記録の継続率が明確に上がった。
まとめ
- 年1回ではなく毎月記録することで、資産増減の内訳(投資・事業・支出)を分解でき、翌月の判断材料になる
- 記録するのは「総資産額」「目標到達率」「月次増減の内訳」の3つに絞っている
- 仕組みはスプレッドシート1枚で十分。あえて手入力にすることで、振り返りの時間を確保している
- 継続の鍵は、既存の月次作業(家計締め)とタスクをセットにすること
次回は、この記録の元になっているFIRE目標額の算出根拠と、マイクロ法人の運営状況を絡めた具体的な計算方法について書く。