「ふるさと納税が10月から変わるらしい」「今年分はいつまでに寄付すればいいのか」。 毎年この時期になると気になるのが、制度の変更と締め切りです。

私も毎年ふるさと納税をしていますが、2026年は「10月から何が変わったのか」が分かりにくい年でした。2025年10月のポイント付与の禁止と話が混ざりやすく、「今年もポイントが廃止される」といった誤解も見かけます。

この記事では、総務省・国税庁の資料を2026年10月7日に確認した内容で、次の3つを整理します。

  • 2026年10月から変わったこと(と、変わっていないこと)
  • 今年分のふるさと納税になる期限
  • ワンストップ特例と確定申告、それぞれの締め切り

この記事の結論(先に3点)

  1. 2026年10月の改正は、主に自治体側のルール: 寄付金のうち地域で使える割合を52.5%以上にする基準などが始まった。寄付する人の控除の計算やワンストップ特例の手続きは変わっていない
  2. 今年分になるのは12月31日までに決済が完了した寄付: クレジットカードなら、引き落としが年明けでも年内に決済されていればよい(自治体・ポータルの案内)。銀行振込は入金日で判定されるので早めに締め切られる
  3. 締め切りは申告の方法で違う: ワンストップ特例は翌年1月10日必着(自治体・ポータルの案内)、確定申告をする人は翌年3月15日まで。確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になる

適合する読者と限定事項

  • この記事が役立つ人
    • 「10月から変わる」と聞いて、今年の寄付に影響があるか知りたい人
    • 今年分のふるさと納税を、いつまでに済ませればいいか確かめたい人
    • ワンストップ特例と確定申告のどちらになるか、締め切りを確かめたい人
  • この記事で扱わないこと
    • 控除上限額の具体的な計算(所得や家族構成で変わるため、各サイトのシミュレーションや税理士に確認してください)
    • 個別の返礼品やサイトのキャンペーンの比較
  • 制度の記述は2026年10月7日に確認した総務省・国税庁の資料にもとづきます。年末の各サイトの締め切り日は、2026年分がまだ告知されていないため書いていません

2026年10月から変わったこと:自治体側のルール

2026年10月1日から始まったのは、主に**ふるさと納税を募集する自治体が守るルール(指定基準)**の変更です。総務省の資料(令和8年3月24日「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」、令和8年9月25日付の通知)から、主なものを挙げます。

変更 内容
寄付金を地域で使う割合の基準(寄附金活用基準) 寄付額から募集にかかった費用を引いた額(寄附金活用可能額)を、寄付額の一定割合以上にする。2026年10月からは52.5%で、毎年10月に55%・57.5%と上がり、2029年10月以降は60%
「募集費用は寄付額の5割以下」の基準 上の新しい基準に置き換えて削除
地場産品の基準(付加価値の考え方) 区域内で生じた付加価値の割合は、価格をもとに計算するのが原則。製造者の証明と自治体の公表が必要に
募集費用の公表 1つの支払先に100万円以上を支払った場合、支払先・金額・目的を公表する

52.5%を下回った自治体は、ふるさと納税の指定を取り消される対象になりうる、と総務省は通知しています。

寄付する人にとって何が変わるか

**控除の計算、ワンストップ特例、確定申告の手続きは、2026年10月の改正では変わっていません。**変わったのは自治体の経費の使い方や、返礼品の基準です。

ただし、間接的な影響はあります。楽天ふるさと納税は「2026年10月からの制度改正に関するご案内」で、制度改正にともなって返礼品の取り扱いの終了や寄付額の変更が起こりうると告知しています。9月まであった返礼品が、10月以降は見つからなかったり、寄付額が変わっていたりすることはありえます。

2025年10月の「ポイント禁止」とは別の話

「ふるさと納税 10月から」で検索すると、2025年10月の改正と2026年10月の改正の話が混ざって出てきます。整理すると次のとおりです。

時期 何を規制したか 寄付する人への影響
2025年10月1日から 寄付に伴ってポイントなどを付与するサイトを通じた募集を禁止 ポータルサイトのポイントで選べなくなった
2026年10月1日から 寄付金を地域で使う割合、地場産品の証明、費用の公表など 控除や手続きは変わらない(返礼品の入れ替えはありうる)

2025年10月の改正は、総務省の報道資料(令和6年6月28日「ふるさと納税の指定基準の見直し等」)で「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」とされたものです。

**「2026年10月からポイントが廃止される」は誤りです。**ポイント付与の禁止はすでに2025年10月から始まっています。なお、通常のクレジットカード決済で付くポイントのように、通常の商取引の決済に伴うものは、この禁止の対象から除かれています(総務省の令和8年9月25日付の通知)。

ポイント禁止の後のサイトの選び方は、ふるさと納税のサイトはどこがいいか、6サイトを使い分けている実例に書きました。

2027年の寄付からは、住民税の控除に193万円の上限

もう1つ、法律で決まった変更があります。2027年1月以降の寄付から、住民税から差し引かれる「特例控除」に、193万円の定額の上限ができます。

総務省の資料によると、これまでの特例控除は「住民税の所得割の2割」が上限でしたが、そこに193万円(給与収入1億円相当)という定額の上限が加わります。2027年の寄付分から適用され、住民税では2028年度分からになります。

総務省の資料の例は、給与収入1億円で438万円を寄付するような人です。**会社員や副業をしている人のほとんどには関係しません。**2026年中の寄付にも適用されません。

今年分のふるさと納税になる期限:12月31日の決済まで

ふるさと納税は、1月1日から12月31日までに支出した寄付が、その年の分として扱われます。国税庁のタックスアンサー(No.1150 寄附金控除)でも、控除の対象は「その年に支出した特定寄附金」です。

問題は「いつ支出したことになるか」です。これは支払い方法で変わります。

支払い方法 寄付した日の考え方 注意すること
クレジットカード 決済が完了した日 引き落としが年明けでも、12月31日までに決済されていれば今年分
銀行振込・払込 自治体に入金された日 年末は金融機関が休みになるため、12月中旬〜下旬で締め切られることが多い

クレジットカードの扱いは、自治体やポータルサイトがこのように案内しています(例:ふるさとチョイスの期限の案内、楽天ふるさと納税のよくある質問)。国税庁・総務省が「カードの決済日が寄付日」と明記した文書は、今回は見つけられませんでした。迷ったら、寄付先の自治体の案内を確かめてください。

銀行振込で寄付する場合は、年末の締め切りがかなり早くなります。2025年には、12月中旬以降に銀行振込を受け付けないポータルや、12月19日の入金分までと案内した自治体がありました。2026年分の締め切りは、各サイトの告知を確認してください。

上限が年末まで読めない人は、早めに目安を決める

締め切りの前に悩むのが、いくらまで寄付するかです。会社員なら源泉徴収票の見込みから上限を出しやすいのですが、副業や個人事業の所得がある人は、その年の所得が年末まで確定しません。

私は副業・個人事業の所得があるため、毎年秋頃に税理士に相談して、その年の上限の目安を決めています。上限が読めない理由と決め方は、副業・個人事業主のふるさと納税はいくらまでかにまとめました。

ワンストップ特例の締め切り:翌年1月10日必着

確定申告をしなくても控除を受けられる「ワンストップ特例制度」は、総務省の「ふるさと納税の流れ」によると、確定申告の不要な給与所得者等で、寄付先が5団体以内の人が使えます。

  • 締め切り: 各自治体・ポータルサイトの案内では、申請書は寄付した翌年の1月10日必着です
  • オンライン申請: 総務省によると、2022年中の寄付から、一部の自治体でマイナンバーカードを使ったオンライン申請ができます。すべての自治体で使えるわけではありません
  • 控除のされ方: 所得税からは差し引かれず、全額が翌年度の住民税から差し引かれます

確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になる

ここがいちばん間違えやすいところです。国税庁のタックスアンサー(No.1155 ふるさと納税)では、「確定申告を行う方は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となる」とされています。

副業の所得が20万円を超えて確定申告をする人だけでなく、医療費控除などのために確定申告をする人も同じです。その場合は、ワンストップ特例を申請した寄付も含めて、1年分の寄付をすべて確定申告で申告します。確定申告が必要になる基準は、副業の確定申告はいくらから必要かで整理しています。

確定申告の締め切り:翌年3月15日まで

確定申告で寄附金控除を受ける人は、寄付した翌年の3月15日までに、住所地の税務署へ申告します(総務省「税金の控除について」)。

使う書類は、次のどちらかです(国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」)。

  • 各自治体が発行する寄附金の受領証明書
  • ポータルサイトなどが発行する、1年分をまとめた寄附金控除に関する証明書(電子データで受け取る場合はXML形式に限られ、PDFは使えない)

まとめた証明書は、マイナポータル連携に対応したサイトなら、確定申告の画面に自動で取り込めます。

申告書を書くときは、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」にある「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」の欄も忘れずに書きます。国税庁は、ここが書かれていないと住民税で控除されないことがある、と注意しています。

私は確定申告で1年分をまとめて申告しています。複数のサイトで寄付しているので、マイナポータル連携と、自分でつけている表や家計簿の記録を合わせて確かめています。入力はマネーフォワード クラウド確定申告で行っています。

年末までのスケジュール

ここまでの内容を、年末までの流れにまとめます。

時期 やること
10〜11月 その年の所得の見込みから、上限の目安を決める。副業・個人事業の所得がある人は早めに
12月中旬まで 銀行振込で寄付するなら、各サイト・自治体の締め切りを確認して済ませる
12月31日まで クレジットカードで寄付するなら、年内に決済を完了させる
翌年1月10日必着 ワンストップ特例を使う人は、申請書を各自治体へ
翌年3月15日まで 確定申告をする人は、1年分の寄付をまとめて申告する

うまくいかなかったこと・この記事で確かめていないこと

  • 「カードの決済日が寄付日」とする国の明文は見つけられなかった。自治体・ポータルの案内にもとづいて書いている
  • 2026年末の各ポータルサイトの銀行振込の締め切り日は、まだ告知を確認できていない
  • 所得税の基礎控除の引き上げにあわせて、住民税の特例控除の計算を調整する改正もある。どの年度から適用されるかの読み取りが資料によって分かれたため、この記事では扱っていない
  • 総務省がポータルサイトに手数料の引き下げを求めたという報道があるが、総務省の一次資料で要請の原文を確認できていないため、書いていない

まとめ

  • 2026年10月の改正は、寄付金を地域で使う割合(52.5%以上)など、主に自治体側のルール。寄付する人の控除や手続きは変わっていない
  • ポイント付与の禁止は2025年10月からの別の改正。「2026年10月からポイント廃止」は誤り
  • 2027年の寄付から、住民税の特例控除に193万円の上限ができる。対象はかなりの高所得者
  • 今年分になるのは12月31日までに決済が完了した寄付。銀行振込は締め切りが早い
  • ワンストップ特例は翌年1月10日必着、確定申告は翌年3月15日まで。確定申告をするとワンストップ特例は無効になる

参照した資料(2026年10月7日確認)

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