aerial-earth-studio(Google Earth Studioで作る空撮動画のYouTubeチャンネル群)で、2チャンネル目として検討していた企画を、パイプライン検証の途中でボツにした。結論を先に書くと、ボツにした理由は「作れないから」ではなく「作れても、既存チャンネルとの共食いにしかならないと判明したから」だ。今回はその判断プロセスと、企画を殺すコストを最小化するために何をやっていたかを書く。

どんな企画だったか

既存の1本目チャンネル「空から見る野球」は、球場を上空から俯瞰する空撮動画で、イベント逆算型・常緑型・ランキング型の3層で企画を組んでいる。2チャンネル目として検討していたのは、同じEarth Studioのパイプラインを流用し、対象を「海外向けの日本観光地紹介」に変えるという企画だった。

モノレポ構成にしていたこともあり、カメラワーク生成・台本生成・音声合成・ローカライズまで含むパイプラインはそのまま転用できる見込みだった。実際、ローカライズ機能はもともと多言語展開を見据えて作っていた部分でもあり、「技術的には作れる」ことはかなり早い段階で確認が取れていた。だからこそ、一度は本気で2チャンネル目として動かす前提で企画を詰めた。

ボツにした決め手は「技術」ではなく「需要の重なり」だった

実際に台本の設計に入る前に、競合チャンネルのリサーチと、想定視聴者層の洗い出しをやった。ここで引っかかったのが、想定していた視聴者層が、既存チャンネルの野球ファン層・地理コンテンツ好きの層とかなり重なっていたことだ。

具体的には、以下の3点を確認した。

  • 検索意図の違い: 「日本 観光地 空撮」で検索する層は、旅行計画目的が中心で、野球チャンネルの視聴者が求める「特定球場を上から見たい」という意図とは別物
  • 競合の厚み: 日本観光紹介系の空撮・ドローン動画は既に登録者数万〜数十万人規模のチャンネルが複数存在し、後発での差別化ポイントが弱い
  • 自分のリソース配分: 収益化ライン(登録者1,000人・再生時間3,000時間)未達の1本目にまだ投資すべき局面で、2チャンネル目に割く時間が1本目の伸びを鈍らせるリスクがあった

この3点のうち、特に3番目が決定打になった。パイプラインが技術的に流用できることと、今それに時間を使うべきかは別問題だ。1本目がまだ収益化ラインに届いていない段階で手を広げるのは、複数事業を並行する際に自分が最も警戒している「1つも当たらないまま広く浅くなる」パターンそのものだった。

企画を殺すコストを下げる工夫

この企画がボツになるまでに、実際に動画を1本も作っていない。台本の骨子とサムネイル案を数点作った段階で止めた。これができたのは、企画検証の順番を意図的に「安い確認から先にやる」構成にしていたからだ。

  1. 競合チャンネルの登録者数・再生数・投稿頻度をリサーチ(数時間)
  2. 想定視聴者層と既存チャンネル視聴者層の重なりを言語化(数十分)
  3. パイプラインの技術的な流用可否を確認(既に分かっていたので追加コストなし)
  4. ここまでで筋が悪いと判断できたら、台本・撮影データ作成には進まない

もし最初にパイプラインの実装から着手していたら、「せっかく作ったから」という埋没コストのバイアスが働いて、筋の悪い企画のまま公開まで進めていた可能性が高い。技術検証よりも需要検証を先に置く順番にしていたことが、無駄な制作時間を使わずに撤退できた一番の要因だったと思う。

まとめ

  • 2チャンネル目の企画は「技術的に作れるか」ではなく「既存チャンネルと需要が食い合わないか」で判断してボツにした
  • ボツの決め手は、検索意図の違い・競合の厚み・自分のリソース配分という3点の確認だった
  • 動画を1本も作らずに撤退できたのは、需要検証を技術検証より先に置く順番にしていたから
  • 企画のボツは失敗ではなく、収益化前の限られた時間を1本目に集中させる判断として扱っている

次回は、ボツにした企画の代わりに今どんな方向で2チャンネル目を検討し直しているか、その基準について書く予定だ。

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