本業のFDEに加えて複業4事業を並行するようになってから、子どもと過ごせる時間の「量」は間違いなく減った。ここで私が取った選択は、減った量を無理に取り戻そうとすることではなく、残った時間の「質」を上げにいくことだった。結論から書くと、量が減った分の穴埋めを子どもとの時間で埋めようとした瞬間に、双方に無理が来る。今回は、複業が増えるほど時間の質をどう設計し直したかを具体的に書く。

目次

量で勝負するのをやめた理由

複業を始めた当初、私は「子どもとの時間を削った分、残った時間で密度を上げればいい」と単純に考えていた。実際には逆のことが起きた。頭の中に複業のタスクが残ったまま子どもと向き合うと、上の空になっている自分に気づく。子どもは大人が思っている以上に「今この人は自分を見ていない」ことに敏感で、機嫌が悪くなったり、逆に過剰に注意を引こうとしてきたりする反応が増えた。

量を確保しようとして「とりあえず一緒にいる時間」を積み増しても、質が伴っていなければ子どもにとっての手応えは薄い。この気づきが、時間の設計を「何分一緒にいるか」から「一緒にいる間、何をどう手放すか」に切り替えるきっかけになった。

スマホと頭の中身を同時に手放す

質を上げるためにまずやったのは、子どもと過ごす時間帯を決めたら、その時間はスマホを物理的に別の部屋に置くことだ。通知を切るだけでは足りなかった。目に入る場所にあるだけで、複業のタスクが頭の中に割り込んでくる。

これに加えて、その時間帯に入る直前に「今抱えている複業の懸念事項」を1行でもいいのでメモに書き出すようにしている。頭の中に置いたままにすると、子どもと遊びながらも無意識にそのタスクを反芻してしまう。書き出して外部化することで、「あとで見ればいい」と頭を切り離せる。これは本業のタスク管理でよくやる手法をそのまま家庭側に転用した形だ。

「一緒にいる時間」より「反応する速さ」を優先する

複業が増えて痛感したのは、子どもとの時間の質を決めるのは長さより「反応の速さ」だということだ。子どもが何かを見せに来た瞬間、声をかけてきた瞬間に、どれだけ早く顔を上げて反応できるかが、子ども側の満足度に直結していると感じている。

作業を中断される前提で複業の作業内容を設計するようにしたのもこのためだ。子どもと過ごす時間帯の直前・直後に、あえて中断されても支障の小さいタスク(単純作業や確認作業)を配置し、「考える」系の重いタスクは子どもが寝た後にまとめる。この時間帯の設計については前回の記事(本業+複業4事業の時間割)でも触れたが、あの設計の根っこにあるのは実はこの「子どもへの反応速度を落とさない」という発想だ。

一緒にいる時間の「使い道」を子どもに選ばせる

もう一つ工夫しているのが、限られた時間の使い道を子ども自身に選ばせることだ。私が「これをしよう」と決めて提示するより、子どもが選んだ遊びや会話に付き合う方が、同じ時間でも子どもの満足度が明らかに高いと感じている。

具体的には、一緒にいる時間の冒頭で「今日は何をする?」と聞くようにしている。答えが出てこない日もあるが、選択肢を提示するのではなく、待つ。この数十秒を惜しんで大人が主導権を握ると、結局は大人にとって都合のいい過ごし方になりがちだ。時間が短いからこそ、その短い時間の主導権を子どもに渡すことが、質を上げる上で効いていると実感している。

質を上げても消えない罪悪感との付き合い方

正直に書くと、これらの工夫をしても「量が減っていること」への罪悪感が完全に消えるわけではない。複業のタスクが立て込んだ日は、子どもとの時間を後回しにしてしまったと自分を責めることもある。

ただ、罪悪感を消そうとするのではなく、「質を上げる工夫を今日もやったか」を自分の中の判断基準にすることで、罪悪感に振り回されて意思決定がぶれることは減った。量そのものを評価軸にすると際限なく足りなく感じるが、質の工夫をチェックリスト的に確認できると、今日の自分がやるべきことをやったかどうかを客観的に判断できる。

まとめ

  • 複業で減った時間の「量」を取り戻そうとせず、残った時間の「質」を上げる方向に発想を切り替えた
  • 子どもと過ごす時間帯はスマホを物理的に手放し、複業の懸念事項は事前にメモへ外部化して頭からも切り離す
  • 時間の長さより「子どもの呼びかけへの反応速度」を優先し、中断されても支障のないタスクをその前後に配置する
  • 一緒にいる時間の使い道は子ども自身に選ばせ、主導権を渡すことで同じ時間でも満足度を上げる

次回は、複業が増える中で夫婦間の役割分担やコミュニケーションをどう調整しているかを書く。

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