複業を4つ並行していると言うと、「時間はどうやって捻出しているんですか」と聞かれるが、正確には捻出ではなく配分の話だ。子育てのすきま時間で使える時間は、週あたりの上限がほぼ固定されている。増やせない前提に立つと、問いは「どう時間を作るか」ではなく「限られた時間の枠に、どの事業のどの作業を入れるか」に変わる。今回は、私が実際にやっている絞り込みの手順を書く。
目次
まず「週◯時間」を先に確定させる
絞り込みの出発点は、事業の魅力度ではなく時間の総量だ。私の場合、本業(FDE)と家庭の時間を固定として引いた残りが、複業4事業に使える時間になる。この総量は週によって多少ぶれるが、平均すればおおよそ一定の枠に収まる。
ここで重要なのは、事業を検討する前に「今週使える時間は何時間か」を数字で先に出しておくことだ。時間を先に確定させずに「あれもやりたい、これもやりたい」と事業を並べると、後から時間が足りないことに気づいて全部が中途半端になる。時間の枠 → 事業の割り振り、の順番を崩さないのが最初のルールだ。
事業を絞る前に、作業を絞る
「事業を1つに絞る」という発想に一度行きかけたことがある。だが実際にやってみると、これはうまくいかなかった。理由は以前の記事(複数事業を並行する理由)で書いた通り、事業ごとに検証段階と必要な時間の質が違うからだ。1つの事業に絞ると、その事業の中で「今の自分の時間帯に合わない作業」が発生したときに、時間だけが空回りする。
そこで私がやっているのは、事業そのものではなく作業単位での絞り込みだ。週の頭に、4事業それぞれから「今週やる作業」を1〜2個だけ選ぶ。全事業を毎週同じだけ触るのではなく、その週のボトルネックになっている作業を持つ事業に時間を厚く配分する。
具体的な判断基準は次の3つを使っている。
- 止まっている作業から着手する: 他の作業の前提になっていて、着手しないと次に進めないタスクを最優先にする(例: storeforgeの仕入れ先検討が止まっていると、その後の販売検証が全部止まる)
- 細切れ時間でも完結する作業を先に埋める: 10〜20分の隙間時間で終わる単純作業(afflowの投稿予約、民泊の予約確認など)は、まとまった時間を使わずに済むタスクとして別枠で先に消化する
- まとまった時間が要る作業は、その時間が確保できる週だけ入れる: aerial-earth-studioの動画構成検討のような「腰を据えないとできない」作業は、平日夜や休日早朝にまとまった時間が見込める週にだけ計画に入れる。見込めない週は最初から候補から外す
この3つで並べ替えると、その週にやるべき作業がおのずと2〜3個に絞られる。事業単位で「今週はstoreforgeの週」と決めるのではなく、作業単位で優先順位をつけた結果、たまたまその週はstoreforgeの比重が高くなる、という順番にしている。
「やらないと決めたもの」を明文化する
絞り込みで一番効いているのは、選んだものより選ばなかったものを明文化することだ。GitHub Projectsの該当ボードに、今週やらないと決めた作業をステータスとして残している。頭の中だけで「今週はこれは後回し」と思っていると、すきま時間ができるたびに「これもやっておくか」と手を出してしまい、結局優先度の低い作業に時間を吸われる。
やらないと決めたものを可視化しておくと、目の前にすきま時間ができたときに「今週やると決めた作業リスト」だけを見ればよくなる。判断コストがその場で発生しないので、短い隙間時間でも迷わず着手できる。これは時間の総量を増やす工夫ではなく、限られた時間の中での判断回数を減らす工夫だ。
絞り込みすぎない基準も持っておく
一方で、絞り込みを徹底しすぎると別の問題が出る。ある事業を数週間触らない期間が続くと、再開したときに状況を思い出すためのコストが発生し、結果的にトータルの時間対効果が下がる。
そのため私は、どんなに他の事業のタスクが優先でも、4事業それぞれに最低限のタッチ回数(週1回、5〜10分でも状況確認だけはする)を下限として設けている。絞り込みは「やらない事業を作ること」ではなく、「その週の重みづけを変えること」だと捉え直すと、この下限の必要性が腑に落ちた。
まとめ
- 事業の魅力度ではなく、まず週に使える時間の総量を数字で確定させる
- 事業単位ではなく作業単位で絞り込む。止まっている作業/細切れ時間で完結する作業/まとまった時間が要る作業、の3分類で優先順位をつける
- 「今週やらないと決めたもの」を可視化し、すきま時間ができるたびの判断コストを減らす
- 絞り込みすぎて事業が止まらないよう、全事業に週1回程度の最低タッチ回数を下限として設けている
次回は、この絞り込みの結果を実際にどう振り返り、翌週の配分に反映しているかを書く。