マイクロ法人の税理士費用の相場はいくらなのか。また、コストを抑えながら自社に合った税理士をどう選ぶべきか。
結論から言うと、相場を調べるより「どこまで任せるか(記帳代行を含めるか)」を先に決めた方が早いです。
私の場合、日々の記帳はクラウド会計ソフトで自分で行い、月次の相談・レビューと決算・法人税申告だけを依頼する契約を結び、**月額27,500円+決算申告165,000円の年間495,000円(税込)**に抑えています。
先に相場の話をすると、マイクロ法人の税理士費用が「ピンキリ」と言われるのは、同じ「顧問契約」でも業務範囲がまったく違うからです。記帳代行まで丸ごと含めるか、決算だけ依頼するかで金額は大きく変わります。
私が税理士選びで一番重視したのも「記帳を自分でやる前提に合わせてくれるか」でした。規模に見合わないフルサービス型の契約を組むと、固定費だけが過大になり法人の資金繰りを圧迫します。
この記事の結論(先に3点)
- マイクロ法人の税理士費用は「業務範囲」で3つに分かれる: 決算申告のみ(年10〜20万円)、記帳自作+顧問・決算(年30〜50万円、自社は49.5万円)、記帳代行込みフルサポート(年50〜80万円)。相場がピンキリなのは範囲が違うため。
- 依頼前に4つの条件を決めれば相見積もり不要で1社に絞れる: ①記帳代行の有無、②マイクロ法人・小規模法人の実績、③オンライン・チャット完結、④料金内訳の透明性。自社はこの4条件で最初から1社に確定。
- 金額以上に「相談のしやすさ」が日々の運営を左右する: 役員報酬の設定、経費の按分、個人事業との線引きなど、判断に迷った際にチャットで気軽に聞ける関係性が固定費以上の価値を生む。
適合する読者と限定事項
- この記事が役に立つ人:
- マイクロ法人(一人社長・資産管理・副業受け皿)を設立した、または設立検討中の人
- 税理士の費用相場や、どこまで依頼すべきか判断基準を知りたい人
- 顧問料を抑えつつ、税務リスクや決算申告の負担を最小化したい人
- 限定事項:
- 従業員を複数雇っている法人や、売上高が数千万円〜数億円規模の中堅法人の税務相場ではありません。役員1人のマイクロ法人・小規模法人に特化した実例です。
マイクロ法人の税理士費用相場:依頼範囲別の3パターン比較
マイクロ法人の税理士費用を調べると「年間10万円台」から「年間70万円以上」まで大きな開きがあります。この価格差の正体は、「誰がどこまで作業するか」という分担の違いです。
| 依頼パターン | 主な業務範囲 | 年間費用相場 | メリット | デメリット・注意点 | 自社の適合度 |
|---|---|---|---|---|---|
| A. 決算申告のみ(年1回型) | 年1回の決算書作成・法人税申告のみ | 年間10万〜20万円 | 最も固定費を抑えられる | 期中の相談ができない。記帳ミスが決算時に発覚すると修正が重い | ✕ 初年度や複数事業並行には不安が残る |
| B. 記帳自作+顧問・決算(自社採用) | 記帳は自分、月次レビュー・チャット相談、決算申告 | 年間30万〜50万円(自社は49.5万円) | 費用を抑えつつ、期中の税務相談や判断の迷いを即時解消できる | 月次の記帳作業(月1〜2時間程度)は自分のタスクとして残る | ◎ 最も身の丈に合い、コスパが高い |
| C. 記帳代行込みフルサポート | 領収書丸投げ、記帳代行、月次面談、決算申告 | 年間50万〜80万円以上 | 経理作業を完全に手放せる | 固定費が重く、取引数が少ないマイクロ法人には過剰投資になりやすい | △ 売上が安定し、本業に集中したいフェーズ向け |
このように、年間の顧問料を比較する際は「金額の安さ」だけで選ぶのではなく、「自分がどの作業を抱え、何を専門家に任せるのか」を明確にすることが失敗しない第一歩です。
なぜ税理士を探し始めたか:DIYの限界とリカバリーコスト
法人化した時点で、税務申告を自分だけでやり切る(DIYする)かどうかを真剣に検討しました。
個人事業の確定申告は長年自分で完結させてきましたが、法人の決算・法人税申告は個人の確定申告とは次元が異なります。
- 申告書の複雑さ: 別表四・五をはじめとする法人税申告書、地方税(均等割含む)申告書、勘定科目内訳明細書など、提出書類の厚みが桁違いに多い
- 間違えたときのリカバリーコストの重さ: 税務調査や修正申告になった場合の追徴税額や対応工数は、個人事業以上に重いペナルティになる
- 学習コストと本業リソースの天秤: 書類作成の知識をゼロからキャッチアップするために何十時間も溶かすなら、その時間を本業(FDE)や複業事業の検証・グロースに充てる方が、経営者として圧倒的に合理的
本業と子育てのすきま時間でマイクロ法人を運営している以上、「専門家に任せて浮く時間」を確実にお金で買うべきだと判断しました。
依頼前に決めた4つの条件:相見積もりなしで1社に決めた理由
正直に書くと、私は何社もの相見積もりを取っていません。
複数の事務所を比較して値切り交渉をするのではなく、依頼先を探す前に自分の求める条件を4つ明確に決め、それを満たす1社に最初から決めたからです。
1. 記帳代行を含まない(記帳は自分でやる前提)
記帳まで丸ごと依頼すると顧問料は跳ね上がります。私の場合、日々の売上・経費入力はマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトで月1〜2時間あれば十分にこなせる規模でした。そのため「記帳代行を外して基本料を抑えてくれるか」を必須条件にしました。
2. マイクロ法人・小規模法人の顧問実績があるか
マイクロ法人は「役員報酬1人・売上規模小・複数事業を並行・社会保険料適正化」といった特殊な設計になります。大企業や中小企業を中心に相手にしている税理士事務所だと、「役員報酬月2万円台」といったマイクロ法人特有の設計に対する解像度が低く、話が噛み合わないリスクがあります。小規模法人の意図を熟知している実績を重視しました。
3. オンライン・チャットで完全完結できるか
子育てのすきま時間で運営しているため、税理士事務所に毎月訪問したり、対面面談のために時間を空けるのは大きな負担です。資料の共有はクラウド、日々のやり取りはSlackやChatworkなどのチャットツールで完結することを必須としました。
4. 顧問料の内訳が明確であるか
「月額〇万円」と提示されても、決算申告料、年末調整、法定調書合計表の作成、税務調査立ち会いなどが別料金になっているケースが多々あります。何が基本料金に含まれ、何が追加オプションになるのかを事前に透明性高く明示してくれる事務所を選びました。
契約の実態:リベ大税理士法人での実際の費用内訳
この4条件を満たしていたのが、リベシティ経由で知ったリベ大税理士法人でした。条件に完全に合致していたため、迷わず契約し現在も継続しています。
実際の顧問料・費用の年間内訳は以下の通りです。
| 項目 | 金額(税込) | 含まれる具体的な業務内容 |
|---|---|---|
| 月額顧問料 | 27,500円 × 12か月 = 330,000円 | 月次記帳データのレビュー、チャットでの随時税務相談 |
| 決算・申告料 | 165,000円(年1回) | 決算書の作成、法人税・地方税申告書の作成・電子提出 |
| 記帳代行 | 0円(自分で実施) | マネーフォワード クラウド会計で自ら入力 |
| 年間合計 | 495,000円 | 法人の税務・決算を完全サポート |
月次の記帳データは自分で入力し、税理士側がそのデータをチェックして不備や仕訳ミスを指摘してくれるため、決算期になって慌てることがありません。
なお、この年間495,000円は、私の法人の年間維持費(約63万円)の中で最大の支出項目です。法人住民税均等割の70,000円と合わせると、維持費の9割近くを税務・行政コストが占めています。
相見積もりを取りたい場合の選択肢
私は条件を決めて1社に絞り込みましたが、「まずは自分の地域や予算でどれくらいの候補があるか並べて比べたい」という場合は、税理士ドットコムのような税理士紹介・マッチングサービスを使って相見積もりを取るのが効率的です。条件が固まっていない段階で相場観を掴むのにも役立ちます。
また、初期費用を極限まで削り、月額数千円〜数万円台で記帳から丸ごと依頼したい場合は、ゼロ税理士法人のような低価格特化型のサービスも比較検討の視野に入ります。
契約後に実感した「顧問料以上の価値」とリアルな課題
実際に税理士と契約して1期以上を回してみて、数字には表れないリアルなメリットと課題が見えてきました。
1. 「いつでもチャットで相談できる」精神的安心感
契約して最も助かっているのは、決算書の作成そのものよりも**「日々の疑問をチャットですぐに壁打ちできること」**です。
- 「今月購入したこの機材は消耗品費か、一括償却資産か」
- 「個人事業主と法人の間でどう経費を按分すべきか」
- 「役員報酬の改定時期と金額設定に税務上のリスクはないか」
こうした細かな論点に直面したとき、ネットの曖昧な情報に悩まされることなく、自社の状況を把握している顧問税理士から翌営業日に即答をもらえる安心感は、月27,500円以上の価値があると感じています。
2. 記帳DIYによる時間拘束(トレードオフ)
顧問料を年間49.5万円に抑えられている最大の理由は「記帳代行を含めていない」からです。そのため、毎月1回は領収書を整理し、クラウド会計ソフトで明細をチェックして仕訳を確定させる作業が発生します。
月1〜2時間程度とはいえ、本業や育児が重なる繁忙期には「この記帳も誰かに丸投げできたらどれだけ楽か」と感じる瞬間もあります。今後、法人の売上高が拡大した段階では、記帳代行込みのプランへ移行することも選択肢として残しています。
まとめ:マイクロ法人の税理士選びで後悔しない手順
- マイクロ法人の税理士費用は、私の場合で月額27,500円+決算申告165,000円の年間495,000円(記帳代行なし)
- 相場がピンキリなのは業務範囲が違うため。相場を調べるより「記帳を自分でやるか・丸投げするか」を先に決める
- 依頼前に**「①記帳代行の有無」「②マイクロ法人の実績」「③オンライン完結」「④明瞭な料金体系」**の4条件を決めれば、相見積もりに迷わず最適な1社に絞れる
- 顧問料の金額だけでなく、日々の細かな疑問をチャットで気兼ねなく聞ける関係性を作れるかが最も重要
自社の取引ボリュームと自分が割ける時間を天秤にかけ、無理のない依頼範囲を設定して税理士を探してみてください。
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