複業のタスク管理で一番効くのは、優先順位づけよりも先に「タスクの分解精度」だと思っている。結論から書くと、私は複業4事業のタスクを起票する時点で、15分で完了できる単位まで分解することをルールにしている。子育てのすきま時間は「まとまった1時間」より「不意に空いた15分」の方が圧倒的に発生回数が多い。この15分を使い切れるかどうかが、複業の進捗速度をほぼ決めている。今回は、私が実際にやっているタスク分解の手順と判断基準を書く。

なぜ「1時間のタスク」は結局着手できないのか

複業を始めた当初、私はタスクを「storeforgeの商品リサーチ」「afflowの記事構成検討」のような粒度でissueに起票していた。所要時間の見積もりで言えば1〜2時間クラスのタスクだ。

これが子育てのすきま時間だと、ほぼ着手されないまま放置される。理由は単純で、15分や20分しか空いていない時に「1〜2時間のタスク」を見ても、「今始めても中途半端にしか進まない」と判断して手を付けなくなるからだ。着手のハードルは所要時間そのものより、「今ある時間で完了させられるか」という見込みの有無で決まる。中途半端に始めて中断すると、再開時に状況を思い出すコストがかかることも経験的にわかっていたので、余計に着手を避けるようになっていた。

つまり、大きいタスクをそのままissueに置いておく限り、すきま時間との相性は悪いままだ。タスク側を、すきま時間の実際の長さに合わせて分解する必要がある。

15分単位に分解する3つの判断基準

タスクを15分単位に割るとき、私は次の3つを基準にしている。

  1. 「開始」と「完了」が明確に切れる単位か: 「記事構成を考える」は曖昧で終わりがない。「見出し案を3つ出す」「導入文の結論部分だけ書く」のように、完了の状態が定義できる単位まで割る
  2. 判断材料が今の自分の頭の中で完結するか: 過去の資料を掘り起こす、誰かに確認するといった「調べる」工程が必要なタスクは、その工程自体を別タスクとして先に切り出す。すきま時間に「あれ、資料どこだっけ」から始まるタスクは事実上15分では終わらない
  3. 中断しても再開コストがほぼゼロか: 15分でぴったり終わらなくても、途中で切れて構わない単位にしておく。次にやる時に「どこまでやったか」を思い出す必要がないくらい、タスクの中身自体を小さくする

この3つを満たさないタスクは、起票の時点でまだ粒度が粗いと判断して、さらに割る。

実際の分解例

storeforgeで新しい商品候補を検討する作業を例にすると、以前は「商品リサーチ」という1個のissueだった。今は起票の時点でこう割っている。

  • 候補カテゴリを3つ書き出す(15分)
  • カテゴリごとに競合商品を5件ずつ検索してURLをメモする(15分×3)
  • メモしたURLの価格帯だけを一覧化する(15分)
  • 一覧から仕入れ候補を2〜3件に絞る(15分)

以前の「商品リサーチ」1個は、実質この4〜5個のタスクの合算だった。分解した状態でissueに並べておくと、朝の身支度中に空いた15分で「候補カテゴリを3つ書き出す」だけを片付け、翌日の別の15分で「競合検索」に進む、という形で複数日にまたがって自然に完了していく。分解前は「まとまった時間ができたらやろう」と先延ばしにされ続け、結局2週間手つかずだったタスクだ。

分解しすぎることの弊害にも注意する

一方で、何でも15分単位に割ればいいわけではない。分解の粒度が細かすぎると、今度はissue自体の管理コストが増え、「次に何をやるか選ぶ」だけで時間を使ってしまう。

私の場合、次の2つに当てはまるタスクは分解せずそのまま残している。

  • 腰を据えないと質が出ない思考系タスク: aerial-earth-studioの動画構成検討のように、分解すると個々の断片の質が落ちる作業。これは子が寝た後のまとまった時間に丸ごと割り当てる対象として扱う
  • 分解のコスト自体がタスクの分量を超えるもの: 5分で終わるような細かい確認作業を、わざわざ15分単位に割る意味はない。すでに十分小さいタスクはそのままにしておく

分解は「すきま時間で拾えるようにするための手段」であって目的ではない。この線引きを意識しないと、issue管理そのものが複業の一つになってしまう。

まとめ

  • 1〜2時間クラスのタスクは、すきま時間との相性が悪く着手されないまま放置されやすい
  • タスク分解の判断基準は「完了が明確に定義できるか」「調べる工程を含まないか」「中断しても再開コストがゼロか」の3つ
  • 分解した15分単位のタスクは、複数の日のすきま時間に分散して自然に消化される
  • 思考系タスクや既に十分小さいタスクは、分解せずまとまった時間・そのままの粒度で扱う

次回は、こうして分解したタスクを複数事業間でどう並べ替え、その日どのタスクから拾うかを決めているかを書く。

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